暗黒微笑

( ◜ω◝ )ニチャア

アンパンマン映画レビュー① 「それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙」

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あけましておめでとうございます。

一昔前に書いたクソ適当なアンパンマンの映画のレビューが謎に閲覧されていたので、そろそろ詳細なレビューを書いてみたいと思います。

当時ではまだ見ていなかった最近の作品も見つつレビューできたらいいなと思います。

ちなみにこのために大晦日にU-NEXTの無料1ヶ月を登録しました。

(2/11追記 このせいで卒論全然進みませんでした 過去の俺は本当に反省してください)

 

昔の記事はこちら↓

spielenwir.hatenablog.com

 

順位つけるのめんどくさいので、リリース順にやっていきます。

 

 

 

劇場版第1作 「それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙」(1989)

記念すべきアンパンマンの劇場版第1弾です。

アンパンマン悪天候で雑魚死しそうになっているところを謎のUFOに助けられるところから物語は始まります。謎のUFOに乗っていたのは「キラキラ星」から来た「ナンダ・ナンダー姫」とそのお付きのロボット「マルデ・ヘンダー」です。

ちなみにマルデ・ヘンダーの兄は「ナンカ・ヘンダー」と言います。

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全くふざけた名前ですが、どうやら彼らの故郷であるキラキラ星の浄化を担っていた「キラキラの涙」が「ドロンコ魔王」に盗まれてしまったために、キラキラ星がナンカ・ヤバインダーということで、助けを求めに来たということでした。

 

 

ちなみに、この「故郷ヤバいンゴ!w ○○(キーアイテム)を取り返して△△(ラスボス)封印しなきゃ!」という筋書きは、アンパンマン映画において非常によく見られるフォーマットです。毎回アンパンマンに丸投げされててウケます。

 

 

以下、簡単のためナンダ・ナンダー姫を「姫」、マルデ・ヘンダーを「ガラクタ」と呼ばせて頂くことにします。

物語の冒頭の悪天候でUFOも不時着してしまい、ガラクタはアンパンマンに、姫はバイキンマンにそれぞれ匿われ、彼らに事情を説明します。

が、まあバイキンマンに話してしまったことが正しい選択のはずもなく、話を聞いていたドキンちゃんが「宝石の力でプリンセスになる」などほざき始め、下僕であるバイキンマンは姫を監禁したままキラキラの涙を手に入れようと行動を始めます。

ドキンちゃんはこの際、「姫のほうが探すの早いやろ」という独断で姫をバイキン城から逃がします。こういったドキンちゃんのちょっとした行動で物語が変わってくるのは、様々な映画でよく見られる行動であり、とても面白いです。大体このせいでバイキンマンが劣勢になるので、この先のレビューでこれらを「ドキンのプレミ(プレイングミス)」と呼ばせて頂くことにします。

 

その後、姫とアンパンマンが合流し、本格的に涙を探し始めます。結論から言うと3回偽物を掴まされます。

①こおりのじょうおうによって凍らされていた人間の悲しみの結晶「氷の涙」

②さかさまんが色を封印していた宝石「光の涙」

③すなおとこが水を封印していた宝石「砂の涙」

をそれぞれキラキラの涙と勘違いして奪還しようとします。

 

②についてはアンパンマンが拘束されているうちに、強キャラであるひのたまこぞうがさかさまんをボコボコにして終わるので割愛。「虹の谷」の「光の涙」を解放することで「色」が復活する、というのはなかなかのオサレポイントではあります。

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③についても、すなおとこがただただ気持ち悪いということだけ言わせてもらえればそれでいいです。すなおとこはちゃんとロギアを駆使しているクロコダイルを想像してください。脱水とかエグいことは勿論しませんが、砂を用いた様々な攻撃手段があり、打撃を無効化するためシンプルに強く、メタである水が無ければ基本的に勝てません。強いのにもかかわらず喋り方がねっとりしていて個人的にあまり好きではないキャラです。この後の映画にも登場します。そして例外なく強い。

今作では、ギリギリのところで砂の涙に封印されていた大量の水を開放し、撃退します。

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①のシーンが個人的には一番面白いです。

①の氷の涙は、これまたアンパンマン界隈における強さランキング上位の「こおりのじょうおう」が住む城にありました。①を奪還するため、アンパンマンは氷の城へ侵入します。

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こおりのじょうおうは、人間をさらって凍りづけにし、コレクションとして飾ることを趣味とするヤバ人(やばんちゅ)です。氷の涙はこれらのコレクションにされた人間達の悲しみが結晶となったものでした。

そんなことも知らないアンパンマン達は、氷の涙をキラキラの涙と思い込み、これを巡ってこおりのじょうおうと戦いを繰り広げます。

 

これが残念ながら全く勝負になっていません。

アンパンマンしょくぱんまんカレーパンマンのメインウェポンは打撃なので、前述のすなおとこや、こおりのじょうおうなどのロギア系には基本的に有効な攻撃が無いのです。自然は恐ろしい…ってコト?!

こおりのじょうおうに関して言えば、生成する氷柱がそもそもアンパンチを耐えていて、しもべとなる「ゆきおおかみ」を多数生み出すので、普通に実力で負けています。

 

しょくぱんまんを軽く凍りづけにしながら、難なくこおりのじょうおうはアンパンマン達を拘束しますが、なんと雪原にすむ「ユキダルマン」達がジャムおじさんにピンチを知らせ、アンパンマン号が駆けつけます。

 

 

 

 

ここで一旦、この映画のタイトルである「アンパンマンとキラキラ星の涙」で検索をかけてみることにします。

何故かって?まずはこちらをご覧ください。

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画面中央に子ども向けコンテンツとは思えない文字列が並んでいることにお気づきでしょうか。そう、このアンパンマン号がこおりのじょうおうを撃退するシーンは閲覧注意の問題映像として一部の層から人気(?)を集めているのです。

 

「かまど放射器」、の説明をする前にアンパンマン号の説明をしなければなりません。

ご存じの通りアンパンマンはアンパンでできた「顔」が弱点であり、これが汚れたり濡れたりすることで本来の力が出せなくなってしまいます。この場合、拠点であるパン工場にて新しい「顔」を作り、古い顔と交換しないとアンパンマンを復活させることができません。この「アンパンの作成・顔の入れ替え」をどこでも行うことができるように、「かまど」を内蔵した車がアンパンマン号というわけです。

 

 

話を戻しましょう。駆けつけたアンパンマン号はおもむろにかまどを車の上部に露出させ、ジャムのかけ声とともに「かまど放射器」が放たれます。かまどのエネルギーを用いてこおりのじょうおうに火炎放射を食らわせるのですが、これにはアンパンマンや姫もドン引き。こおりのじょうおうは消し炭となり、更には氷の城に閉じ込められている人たちもかまど放射器の余波で氷が溶け、救出することができました。

どんだけ火力高いんだよと思っていると、なんと助けを呼んでくれたユキダルマン達も溶けているではありませんか。あたかも感動のシーンかのように彼らは「大丈夫、また会えるさ」と言い残して溶けてしまいますが、君たちが溶けてしまったのは春が来たからではなく、ジャムが明らかに火力を間違えたからです。

 

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この一連の流れについては是非動画をご覧ください。めちゃくちゃ面白いです。コメントでも

・「家に侵入してきた奴返り討ちにしたら焼かれた件について」

・「ハーグ陸戦条約違反だな」

・「最 初 か ら や れ」

などと言われる始末です。

 

 

色々あって一同は、キラキラの涙を奪ったドロンコまおうが根城にしている「オソレ沼」にたどり着きます。

そもそも犯人がドロンコまおうというのは確定しているのに、何故ドロンコまおうが絡んでいない宝石をキラキラの涙と疑ったのかは置いておいて、ここでのオソレ沼やドロンコまおうの描写は中々に怖いです。ドロンコまおうは、姫とガラクタが外出した隙にキラキラの涙を奪いキラキラ星をほとんど壊滅させた後、アンパンマンたちの住む星も支配しようと画策していました。オソレ沼はもともと現地民がいましたが、ドロンコまおうを恐れ、皆逃げてしまいました。

ドロンコまおうは黒く巨大な丸い身体に触手が何本も生えた、メデューサの頭のような見た目をしており、真ん中に巨大な目が一つあります。ゲゲゲの鬼太郎に出てくるバックベアードによく似ています。

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あまりにデカすぎて目がどアップで写されることがよくあるのですが、この時目の描写がリアルすぎて普通にキモいです。額には奪ったキラキラの涙が赤黒く輝いており、これによりかなりのエネルギーを得ています。

 

ドロンコまおうは圧倒的な力を持っており、基本的にアンパンマン達の攻撃を受け付けないほか、ドロドロンと呼ばれる再生能力の高い泥のおばけを多数呼び出します。ここでアンパンマンの劣勢につけこんだバイキンマンは、ドロンコまおうに取り入ることで一緒にアンパンマンを撃破しようと企みますが、何故かドロンコまおうはバイキンマンが普段アンパンマンにボコされ続けていることを知っており、「雑魚は黙ってろks」とこれを一蹴します。

 

 

余談ですが、このようにバイキンマンは独特の話術とカリスマ性で周囲の人物を騙し、アンパンマン攻略に役立てることがありますが(「それいけ!アンパンマン 勇気の花が開くとき」、「それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ」など)、相手が自分よりはるかに強大な存在(後の作品に登場するゴロンゴラ、ガラゴンなど)の場合、今回のように返り討ちにあうことが多いです。

 

 

 

一方でアンパンマン号が前述のドロドロンを熱風で固めて無力化したり(もうアンパンマン号だけでいいんじゃないか)、作中屈指の戦闘力を誇るおむすびまんなどが参戦しますが、依然ドロンコまおうに効果的な攻撃はできていませんでした。

遂にアンパンマンと姫がドロンコまおうに捕まり、負けたな、風呂入ってくるわとなったところで、姫の流した涙がドロンコまおうを浄化し、キラキラの涙を奪い返すことに成功しました!(は?)

 

 

ここもよく試験で出題されるところなので覚えていてください。

・ヒロイン枠の涙は逆転フラグ

これはかなり強力なフラグとなっており、流石に理不尽と言われるレベルの逆転劇を見せます。私は個人的にこれを「涙トリガー」と呼んでいます。まあ今回ばかりはタイトル回収ということで一応許してあげてもいいのではないかと考えています。

 

そんなわけでキラキラの涙を取り戻したキラキラ星は本来の姿を取り戻し、みんなで仲良くダンスを踊って終了、ということになります。今後はセキュリティをしっかりして涙が簡単に奪われないようにして頂きたいですね。

 

 

 

 

 

いかがでしたか?記念すべき劇場版1作目ということでしたが、1作目にしてはアンパンマン側の倫理観が崩壊していたり、アンパンマン号が本気を出しすぎていたり、ドロンコまおうが流石に怖すぎたりしましたが、まあまあに面白い映画だったと思います。正直「1作目」というバリューが無ければ2回以上リピートするまではいかないといった感想です。ただ、問題のシーンはかなり面白いので是非ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

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はい、こちらは今作におけるバイキンマンの立ち回りを評価する「がんばれ!バイキンマン」のコーナーです。

 

冒頭で姫と出会い、上手く騙して姫をさらい、重要な情報だけを入手することに成功していました。この辺は姫が馬鹿なだけかもしれませんが、自分より格が低い相手を上手く利用できているので良いと思います。また、オソレ沼に向かう際はもぐりんを改造したバイキンロボット3号(後のだだんだん)を作成していましたが、体術しか主な攻撃方法がないのと、頭のアンテナと操作系が繋がってしまっているという大ミスを犯してしまっていいます。設計ミスだとは思いますが、これは直接的な敗因となっていたので、今後は是非このようなことがないようにしっかりデバッグしていただきたいです。また、ドロンコまおうに取り入ろうとしていましたが、アンパンマンに負け続けていることを指摘され、逆に利用されてしまいましたね。メンタル面の改善も期待したいところです。

 

以上を踏まえまして、今作のバイキンマンの点数は

4/10

となります。次に期待です。